4月6日 of 震災日報

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4月6日(水) 原子炉に窒素ガス注入

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死者、行方不明者(6日現在の朝日新聞まとめ)

  • 死者 12,554人
  • 安否不明者 17,692人以上

原発事故

爆発防止へ窒素ガス注入

福島第一原発1号機の格納容器内で水素爆発が起こるのを防ぐため、東京電力は窒素ガスの注入を開始した。
1〜3号機はいずれも一時的に核燃料棒が水面から露出したため、核燃料を覆う被服管という合金と水蒸気が化学反応を起こして水素ガスが発生した可能性がある。また核燃料から出る放射線によって、水が水素と酸素に分解される現象も起きていると見ている。
こうした水素と酸素は一定の濃度になると反応して爆発を起こす。
米原子力規制委員会(NRC)は1号機の格納容器内に窒素ガスを入れることを勧めている。
これまで海水を注入していたが、真水よりも水素が発生しやすく、海水に元々含まれている酸素もあるため、格納容器内は危機的状況にあると見ている。

各炉内の核燃料の損傷率

東電の分析では、1号機の炉内にある核燃料の損傷率は70%、2号機30%、3号機25%。

福島県飯舘村、妊婦、乳幼児避難へ

放射線量の積算値が高まりつつある飯舘村は、ほとんどが屋内退避圏外だが、調査によって放射線量が圏内の一部の場所より高いことがわかっているため、妊婦や乳幼児らを村外に避難させることを明らかにした。

保安院、認識の甘さ認める

深刻な事故を招いている福島第一原発の非常用電源の喪失事故について、原子力安全・保安院や原子力安全委員会のトップらが、「これまでの認識に甘さがあったことは深く反省している」と述べた。

余震

  • 21時56分、茨城県北部を震源とする最大震度4、マグニチュード4.9の地震。
  • 22時55分、福島県沖を震源とする最大震度4、マグニチュード5.3の地震。

最近の地震は福島県と茨城県で目立つようだ。

被災状況

震災による県外転校

東日本大震災や原発事故のため、地元から避難して別の都道府県の公立小中高校に転入する児童生徒は、少なくとも6981人にのぼることが朝日新聞の調べでわかった。

海底24m動く

海上保安庁は、今回の地震で、震源のほぼ真上にあたる宮城県沖の海底が東南東に約24m動き、3m隆起していたと発表した。

皇太子夫妻、都内の避難所を慰問

皇太子夫妻は午後に、避難所になっている調布市の味の素スタジアムを訪れ、被災した人達を見舞った。
同所には福島県などから約130人が避難している。

計画停電

計画停電、4月中のできるだけ早い時期に原則廃止するという政府の骨子案がわかった。
それによると、産業界や家庭の節電への取り組みが続く前提で原則実施しないという。
万が一電力不足になる場合は、医療用の電力確保や熱中症対策に取り組んだ上で実施する余地を残した。
家庭について、夏の昼間のピーク時(7〜9月の平日10時〜21時)の最大使用電力を、最大20%削減する節電目標を掲げている。強制ではなく、達成への対策例を示して節電意識を高める。
契約電力が500kW以上の工場やビルなどの大口需要家は、ピーク時で25%減らすため、営業時間短縮や夏休みの延長などの節電計画を策定する。電気事業法に基づく電力使用制限令も発動する。

政府対応

復興構想会議

菅首相は震災後1ヶ月となる11日までに、震災後の復興ビジョンを練る復興構想会議を立ち上げる考えだ。
そのメンバーは議長に防衛大学校の五百旗頭真(いおきべまこと)校長を充て、メンバーに建築家の安藤忠雄氏らの名前が浮上している。国会議員抜きで、首相主導で復興計画を練る方針のようだ。

ODA削減して復興財源に

民主党の岡田克也幹事長が委員長を務める復旧・復興検討委員会は、震災復興の財源確保のため、途上国援助(ODA)の2割にあたる1145億円を削減するように菅首相に申し入れた。

国内

千葉県産魚も価格暴落

隣接する茨城県で、イカナゴ(コウナゴ)から国の基準を超える放射性物質が検出されたことの影響で、千葉県産の魚介類にも値がつかなかったり、極端な安値がついたりする例が相次いでいる。
農林水産省は全都道府県や各市場団体に、適正な取引を求める通知を出した。

斉藤和義、原発問題を強烈に批判する

ミュージシャンの斉藤和義と思われる人物が、今回の原発事故、そして東京電力や政府の対応を強烈に批判した歌をYouTubeに発表した。
自身の「ずっと好きだった」の替え歌で、ギターひとつで「ずっとウソだったんだぜ」と歌っている。
斉藤和義が所属するビクターエンタテインメントでは、映像の人物が斉藤本人であることは認めたものの、「プライベートな映像が意図せずアップされたため削除を依頼した」としてYouTubeから動画は削除された。
しかし、すでにダウンロードしていた人達のアカウントによって再び投稿されている。
原発問題を扱った歌をめぐっては、RCサクセションの1988年のアルバム「COVERS」が、所属するレコード会社東芝EMIから発売中止になったことが有名だ。原発の製造を手掛ける親会社の東芝からの圧力、もしくは自主規制ではないかと言われている。

作詞作曲:斉藤和義
「ずっとウソだった」

この国を歩けば原発が54基
教科書もCMも言ってたよ「安全です」

俺たちを騙して言い訳は「想定外」
懐かしいあの空 くすぐったい黒い雨

ずっとウソだったんだぜ やっぱバレてしまったな
ほんとウソだったんだぜ 原子力は安全です
ずっとウソだったんだぜ ほうれん草食いてえな
ほんとウソだったんだぜ 気づいてたろうこの事態
風に舞う放射能はもう止められない
何人が被爆すれば気がついてくれるの この国の政府

この街を離れてうまい水見つけたかい?
教えてよ やっぱいいや もうどこも逃げ場はない

ずっとクソだったんだぜ 東電も北電も中電も九電も
もう夢ばかり見てないけど
ずっとクソだったんだぜ それでも続ける気だ
ほんとクソだったんだぜ 何かがしたいこの気持ち

ずっとウソだったんだぜ ほんとクソだったんだ

経済

円安が進み、半年ぶりに85円台をつけた。これは日本経済を懸念し、アメリカ経済に期待したものと見ている。

海外の反応

米軍は、有事並みの対応で日本側と調整を図り、救援行動にあたっているという。
アメリカの民間調査機関が3月下旬に行ったアンケートでは、最も感心があるニュースは「日本の震災」で57%だった。これは「リビア情勢」の15%を大きく上回った。