２０１２年３月 of 震災日報

７時３２分頃、茨城県県沖を震源とする、マグニチュード5.4、最大震度５弱、震源の深さ60kmの強い地震があった。
この地震による津波はなかった。
震度５弱を観測したのは、茨城県北部、東海村など、震度４が福島県中通り、茨城県南部、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都などであった。
最大震度を観測した茨城県東海村には東海第二原発があるが、７時５５分現在、施設から被害などの情報は入ってきていない。
この地震は3.11の地震の余震とみられている。

福島第一原発の事故で、放射性要素によって甲状腺に９０mSv近い被曝をしていた人がいることがわかった。
弘前大学被ばく医療総合研究所の床次眞司（とこなみしんじ）教授らが、事故の約１ヶ月後に行った住民６５人の測定結果を分析したもの。
原発のある福島県浜通り地区から福島市に避難してきた４８人と、原発から３０km圏周辺の浪江町対馬地区に残っていた住民１７人を対象に甲状腺内の放射性要素の濃度を調べたところ、８割近い５０人からヨウ素が検出された。
この実測値から計算すると、３４人は２０mSv以下、５人が５０mSvを超えていた。最高値は８７mSvで、事故後浪江町に残っていた成人だった。

深夜２時２５分頃、茨城県北部を震源とする、マグニチュード5.5、最大震度５弱、震源の深さ10kmの強い地震があった。
震度５弱を観測したのは茨城県北部、震度４は宮城県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県などの広い地域。
3.11を目前にしたこの日に、まだこれだけの規模の地震が起こるというのは非常に恐ろしい。

今日３月１１日１４時４６分、あの震災からちょうど一年を迎えた。

１８時９分頃、三陸沖を震源とする、マグニチュード6.8、最大震度４、震源の深さ１０kmのやや強い地震があった。
この地震で青森県、岩手県の太平洋岸、北海道太平洋沿岸東部、同中部に津波注意報が出された。予想される高さは５０cm。→その後、小さな津波は観測されたが、被害の報告はなかった。
震度４を観測したのは北海道釧路町、青森県八戸市、岩手県沿岸北部など、震度３は青森県津軽北部、青森県下北、宮城県、山形県など。
この地震による原子力関連施設への被害の情報は入ってきていない。

２１時５分頃、千葉県東方沖を震源とする、マグニチュード6.1、最大震度５強、震源の深さ１０kmの強い地震があった。
震度５強を観測したのは茨城県南部、千葉県北東部、銚子市など、震度５は茨城県北部、千葉県旭市など、震度４は福島県中通り、茨城県水戸市、栃木県南部、真岡市、埼玉県南部、千葉県北西部など。
その他、宮城県〜山梨県、新潟県までの広い範囲で震度３が観測された。
この地震による津波の心配はないという。
この地震による原子力関連施設への被害の情報は入ってきていない。

東京電力は、福島第一原発２号機の原子炉格納容器内を内視鏡で調査した結果、水位が格納容器の底から６０cmだと発表した。推定より大幅に低かったという。水温は48.5〜50℃。
１月に続き２回目の調査だが、前回は水位が確認できなかったため、倍の長さの２０mの内視鏡を使用し、格納容器の貫通部から底部に下ろした。
東電は水位を3.5〜４mあると推定していた。推定に使った圧力計が正しい値を示していなかったために食い違ったと見ているが、「燃料は冷えており、むき出しになっている状況ではない」との見方を示した。
燃料の冷却のために注入されている大量の水は圧力抑制室に流れ込み、さらに建屋内に漏れ出ていると見られている。水は高濃度の放射性物質汚染水になっているので、その行方が心配される。

東京電力は、福島第一原発２号機の格納容器内で、毎時72.9Sv（７２９万μSv）の放射線を観測したと発表した。
１〜３号機の格納容器内で放射線量を直接測定したのは初めて。人は容易に近づけず、遠隔操作の機器も強烈な放射線で電子部品がやられる恐れがある。
この日、工業用内視鏡を格納容器の底部まで入れ、８カ所で放射線量を測定したところ、底から約4.2mの場所で最高値の72.9Svを記録した。
東電原子力・立地本部の松本純一本部長代理は「（溶けて）格納容器に漏れた燃料の影響と考えられる。廃炉作業には、高い放射線量に耐える機器の開発が必要だ」と話す。
放射能被害を受けていない地域の放射線量が0.06μSv／時程度であることを考えると、どれほど強い線量であるかがわかる。

２０時００分頃、岩手県沖を震源とする、マグニチュード6.4、最大震度５弱、震源の深さ１０kmの強い地震があった。
震度５弱を観測したのは岩手県、宮城県、震度４は青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県。関東や北海道は震度３以下で、筆者の栃木県宇都宮市では震度２程度で気付かなかった。

２０時の地震で津波の心配はなかったが、神奈川県では、NTTDoCoMoが一斉配信するエリアメールを使って、県内全市町村に「沿岸部にいる人たちはただちに高台に避難してください」という住民に避難を促す情報が誤って配信された。県に問い合わせや苦情などが約３０件寄せられたという。
県はシステム上のトラブルと見て原因を調査していたが、テスト時に使った設定の消し忘れが原因だったと翌２８日に発表した。