気象庁発表
気象庁は東日本大震災の地震の規模を示すマグニチュードを、詳しい解析の結果、これまでの8.8から、9.0に修正した。
余震警戒
また、16日午前までにM7.0以上の余震が起きる確率が極めて高いことを明らかにし、警戒を呼びかけた。
気象庁では、M7以上の余震が16日までの3日間に70%、その後19日までの3日間でも50%の確率で発生するとみている。
原発事故
3号機も水素爆発のおそれ
枝野官房長官は午後に記者会見し、福島第一原発3号機の原子炉建屋内に原子炉から漏れた水素がたまり、爆発するおそれがあると発表した。
東電は3号機の原子炉容器の損傷を防ぐため、1号機同様、微量の放射性物質を含む内部の蒸気を抜き(ベント)、容器内を冷やすために海水の注入を始めた。
原発周辺の放射線観測値は13時52分現在これまでで最高の1557.5μSv/hに達したという。
枝野長官は、万一1号機のように爆発しても原子炉の格納容器に影響はなく、大量の放射性物質は放出されないとみられると説明した。
放射線の観測値も、「一番高いところでも1時間その場にいて、胃のX線検診3回分弱」とし、健康に影響を及ぼす状況は生じないと述べた。
観測値は14時42分には184.1μSvに下がったという。
上がらぬ水位
東電によると、地震の影響で自動停止した3号機の原子炉内に海水の注水を始めたが、水位は上がらないまま。
枝野長官は20時の会見で、原因として「原子炉内の蒸気を抜く弁に不具合が生じた可能性が高い」と述べた。
ウランの燃料棒の上部が冷却水から露出したままとみられ、原子炉内の蒸気と反応して水素が発生し続けている可能性がある。
水素が外に漏れて原子炉建屋内にたまると、酸素と混じって爆発するおそれがある。
爆発を起こした1号機では、冷却水から露出した燃料が高温になって溶け出す炉心溶融(メルトダウン)が起こったとみられるが、枝野長官は3号機でも同じことが起きた可能性に言及した。
東電は2号機でも、蒸気を抜いて原子炉内の圧力を下げる作業(ベント)を始めると発表した。
炉心溶融を認めた中村審議官更迭か?
12日の会見で炉心溶融(メルトダウン)の可能性を認めた原子力安全・保安院の中村審議官(写真左)が会見から外され、この日から同院通商政策局担当の西山英彦審議官(写真右)が起用された。
この件に関しては経済産業省幹部の情報として、菅首相と枝野官房長官が「(中村審議官の発言が)国民に不安を与えたことを問題視」し、「もう会見させるな」として更迭を命じたと言われている。←記者会見のみから更迭されたのか、役職からも更迭されたのか要確認
この件は政府による情報隠蔽の一端として、フリージャーナリストの上杉隆らによって大きく問題視された。
余震
- 8時25分、宮城県沖を震源とする最大震度5弱、マグニチュード6.2の余震。
他にも最大震度3〜4程度の余震が続いた。
震災発生後2日間での余震回数の累計は150回を超えた。これは1994年の北海道東方沖地震の60回程度を大きく超える回数だ。
被災状況
交通障害
幸い日曜日ということもあり、休日の人も多く、昨日に比べると混乱は少なかった。
計画停電
東京電力は、震災で電力の供給力が大幅に落ち込んだため、14日朝6時20分から、地域ごとに交代で計画停電を実施する輪番停電を始めると発表した。4月末までの予定。
関東と山梨県、静岡県の一部を市町村単位で5グループに分け、約3時間ずつ停電する。
首都機能麻痺を避けるため、14日は荒川区をのぞく東京23区は対象外となる。
震災前は5200万kWだった供給力は、14日には3100万kWに落ち込む。
政府対応
蓮舫行政刷新大臣に節電啓発担当大臣を兼務させることとした。
ボランティア活動の経験のある辻元清美衆議院議員を、災害ボランティア担当として首相補佐官に命じた。
海外の反応
被災者救援のため、アメリカ海軍太平洋艦隊の原子力空母ロナルド・レーガンが朝4時頃までに宮城県沖に到着し、日本政府の要請を受け、自衛隊のヘリコプターへの給油や、被災地に向かう自衛隊員の輸送などを支援するという。
ロナルド・レーガンの艦載ヘリコプターが海上自衛隊ヘリとともに、海自補給艦の非常用缶詰3万食分を宮城県気仙沼市の運動場など3カ所に輸送した。
米第7艦隊の揚陸指揮艦ブルーリッジもシンガポールで救援物資を積み込み、日本に向かっている。
米軍は海上での捜索活動も開始したという。
保険会社の対応
多くの保険会社が、「約款上は地震などによる死亡時は保険金の減額や支払わない場合があると規定しているが、今回はこれを適用せず、全額お支払いします」との声明を出していた。
報道、メディア
テレビ、ラジオ、新聞
震災対応として、インターネット経由でラジオが聞けるradiko(ラジコ)がエリア制限を解除し、全国で聞けるようになった。
インターネット
12日、ラウドネスのヴォーカル二井原実が「人のために歌う」として八王子のバーで有志のミュージシャンを集めた小さなライブを行うとブログに書いたところ、「節電中にライブをするな」「空気を読め」などと炎上してしまい、一度記事を削除して「ごめんなさい」と書き込まれた。
その後、ライブ会場のバーを経営する元爆風スランプのファンキー末吉に「義援のためにもらいぶをやらなあかんやろ」と励まされ、書き込みを復活させ、ライブも行った。
Twitterから
- こういう報道、やめればいいのに。不眠不休で仕事してるんだから、うとうとぐらいしても無理ないと思う。/東・内閣府副大臣、ヘリ視察中に居眠り (読売新聞)
- 栃木テレビで「停電中は高齢者の方は出歩くのを控えてください」と言ってるけど、控えるべきなのは全ての人の車の運転じゃないの?信号がまともに動いていないことやガソリンが足りていない事を考えると、なるべく歩くかバスや自転車を使うべき。
- うちの旦那はトラックの運転手です。地震の影響でガソリンが軒並み売り切れ状態です。このままでは本当に日本の物流がストップします。移動は電車や自転車を使うようにして、本当に必要な人に回してほしいです。さもないと、みんなの明日のごはんや日用品は誰がどうやって運ぶんですか?
- 【田原総一郎氏】隠蔽はないと思う。開示は遅れていると思いますが。 RT @××: 現時点で情報隠蔽の可能性はあるとお考えでしょうか?
- 【猪瀬直樹氏】NHKが計画停電で、食料の確保を、と余計な一言。買い占めする人がいるのに。3時間分ですよ。乳幼児やお年寄りでない限り少しの我慢を、と言えばよいのに。
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