THE KING OF LIVE COMPLETE／THE KING of LIVE RC SUCCESSION

RCサクセション
2016年3月30日発売予定／CD、DVD／ユニバーサルミュージック

かつてライブアルバムTHE KING OF LIVEとして発表された、1983年6月25日、26日の二日間おこなわれた渋谷公会堂でのライブが、当時の事務所の倉庫から音源テープと映像が発掘された。
CD2枚組、CD2枚＋DVD1枚、DVD1枚の３形態で発売。

かつてのライブアルバム（以下、旧作）の発表経緯について清志郎のインタビューでは、「OK」発売ツアーが体調不良でできなくなったため、個人的に録音させておいた音源を発売することになったという話であったが、映像まで撮影されていたとは初耳だ。
RHAPSODY THE VIDEOがそうであったように、記録およびプロモーション用として映像も撮影していたということか？
長いイントロのドカドカに始まり、疾走感のある雨あがり、ロングバージョンのダンスパーティやブルドッグ、G2のNewSongから、切ない指輪まで。中高時代にテープがデッキにからまるくらい繰り返し聞いた大好きなアルバムなので、完全版として発売されるのは非常にうれしい。

同時期に81年の野音ライブまでもが事務所（まあ奥田社長の「りぼん」でしょう）の倉庫から「発掘された」として発売されることになったわけだが、過去にいろいろな軋轢があったけど、ファンとしてはとりあえず素直に喜んでいいんじゃないだろうか。
まあ仮に今後、似たようなものをドバッと一度にリリースされても大変だけどさ（苦笑）
エグゼクティブプロデューサーとして栗原景子（石井さん）の名前があるんで、無許可リリースとかではなさそうで何よりだ（笑）

ユニバーサルレコードのサイトの説明によれば、CDは全曲収録、DVDは「制作上の都合により」Sweet Soul Musicだけ収録されない。後半にオーティス・レディングの曲が歌われているから、著作権上新たな費用が発生するからということが推測される。
ダンスパーティーでも間奏のファファファファファを一節歌う箇所がカットされており、やはりそうなのだろう。同曲はその部分だけカットして何とか繋いでるけど、Sweet Soul Musicはつなぎが不自然になるから曲ごとカットしたのだろうと思う。
むろん著作権者（この場合オーティスサイド）の利益は尊重したいが、損が生じない限り、あんまりうるさくするのは文化の発展上良くないと思うんだよね。
もしRCがいまだ大人気でこのDVDもいっぱい売れるんだったら、レコード会社も新たな著作権料を払ってでも完全収録するんだろうと思うと、いろいろな意味で残念だ。

とても「参考用に写してた」程度とは思えないしっかりした映像。映像の編集は本DVDのためにやったとして、各カメラの映像はきちんとプロのカメラマンの手で写されてたのだな。内容は違うけどTHE KING OF LIVEの名前のビデオ作品も出てるから、ツアー全体を撮影してたんだろうね。
DVD＋CD2枚の形態を買ったんだけど、歌詞のブックレットは半分が10ページほどの写真集になってるよ。旧作も写真集になってたよね。
旧作に比べ、ホーンが抑えられてる印象。
一部、旧作と歌い方、演奏が違うような箇所も見られる。旧作では全部が同じ日の音源じゃなく、より良いテイクの方に差し替えたりしたのかもね。RHAPSODYがそうだったように、部分的に音を録り直したり。
赤ジャケ、水色っぽいスラックスの清志郎がメインで、同ツアーの別の日の映像を差し込んでるようで、服の色がちょこちょこ変わる。よくあるエフェクトだ。
最近のアーティストのライブ映像って忙しくアングルが切り替わるけど、この頃のはある程度固定アングルで見せてくれるので落ち着いて見てられる。とてもＥと思います。
画質はマスターからデジタルの最近のものに比べれはさすがに落ちる。当時のビデオ機器の都合なのかノイズリダクションのせいなのか、多少映像にゴーストが残る。

ドカドカうるさいR&Rバンド

チャボが最初一人で出てイントロをえんえんと弾く中、コーちゃん、G2、リンコ、ブルーデイホーンズ、そして清志郎が順番に登場してくる。

サマーツアー

旧作にはなかったから多少の違和感はある（笑）
最初のイントロのリフはシーケンサーじゃなくてG2の手弾きなのね。

雨あがりの夜空に

この曲の後に最初のMC。

Drive My Car

お墓

ねむれないTonight

ダンスパーティー

長い間奏の最中、一眼レフで写真撮りまくる清志郎（笑）　カメラに凝ってた頃だな。
リンコのベースソロが旧作とちょっと違って聞こえるのはミックスのせいか？
オーティスの「ファファファファファ」の一節を歌う箇所がカットされてる！　Sweet Soul Musicといい、ほんの一節でもダメなのか？　この程度でオーティスサイドが「金払え」って言うなら、著作権ってものの濫用じゃないのかと思ってしまう。
そしてコーちゃんの出身がなぜか浅草じゃなく「from 千葉」って紹介されてる。ファファファ…をカットしてつなげる都合でより違和感のないテイクが千葉って言ってるテイクだったのか、それとも旧作のほうで「……いや…（20分沈黙）…ぼくは…（30分沈黙）…千葉じゃなくて…（2時間沈黙）…浅草出身なんです………」って指摘されて、レコード化の際に直してたのかも。

NEW SONG

G2の歌なんだから、もっとG2中心に写しておあげなさいよ（苦笑）

例えばこんなラヴ・ソング

上半身裸になった清志郎が生ギターで歌う。
エンディングが長い。

Oh! Baby

誰かがBedで眠ってる

この曲のリードギターってG2だったのか！

ブルドッグ

明らかに旧作とはテイク違い。旧作でもかなり長かった間奏がさらに長い。

ブン・ブン・ブン

清志郎、横縞のTシャツを着る。
OKからの曲が続く中、RHAPSODYからのロックンロールナンバーが新鮮。

Sweet Soul Music～I've Been Loving You Too Long（DVDには未収録）

おそらく著作権の都合でDVDでは残念ながらカット(ﾉД`)

指輪をはめたい

イントロのMCでこの映像が二日目（6月26日）だってわかる。
歌の部分は旧作と同じ、後奏のメンバー紹介のところとかは明らかに別だね。それでもこれを映像で見られるのは圧巻！
中学の頃とかこれ聞きながら胸にこみ上げてきてたんだよなあ。映像で見るとまた別の感覚を覚える。映像で清志郎が歌ってると「この歌は清志郎のもの」って感じなんだけど、音だけ聞いて頭の中で好きな子に当てはめた想像をしてたりすると「この歌は俺のもの」って気分になる。
気分的にはライブもここで終わった方が劇的でいいような気がする。
ステージ床にギターを置いて去っていくチャボ。

うんざり

最初のアンコール。
ウクレレを弾きながらの清志郎を先頭にメンバーが再登場。
「猛一発いくかい？　前の方のやつどーなんだい！？」って煽りながら、カメラに向かって「どうなの？」っていう言い方がかわいい。
G2がまたギターで、チャボとワンマイク。

つ・き・あ・い・た・い

２度目のアンコール。
「今年の夏もよろしくつきあいたい！」
清志郎がテレキャス、チャボがレスポール。
後奏でチャボがアリーナに降りて演奏。
演奏後再びステージから去る。

スローバラード

３度目のアンコール。

キモちＥ

帰りそうで帰りそうにない清志郎が「もう一発いくかーい！？」で湧く観客。