キミかわいいね
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ＲＣサクセションの作品楽しい夕に
１９７２年１２月５日／ＬＰ／東芝音工EXPRESSレーベル
タイトルの読みは「楽しい夕（ゆうべ）に」。
ファーストアルバムよりはちょっとだけおとなしめ。プロテストソングも鳴りを潜めている。
いろんな音をかぶせられた前作の反省から、ほぼメンバーだけの演奏でレコーディングされている。
残念ながらセールス的にはほとんど相手にされなかったようだ。
Ａ面
ラー・ラー・ラ・ラ・ラ
作詞／忌野清志郎
作曲／破廉ケンチ・肝沢幅一
ラー・ラー・ラ・ラ・ラ
この気持ちわかっておくれよ
ぼくが作ったのさキミのために
さあキミもぼくと一緒に歌っておくれよ
楽しいパーティーを連想させる。陽気でほのぼのとしたナンバー。
エミちゃんおめでとう
作詞：林小和生
作曲：林小和生
君が一つ年をとってもぼくには何も関係ないさ
だって君はどうせバカで どうせ子供なんだから
そのままの君の瞳が そのままの君の唇が 好きだから
そのままの君の心が そのままの君の全てが とても好きだから
メインヴォーカルはリンコさん。
誕生日を迎えた彼女を小馬鹿にしているようでいて、「馬鹿で子供っぽいそのままの君が好きだ」という言い回しがニクイ。
忙しすぎたから
作詞／林小和生
作曲／肝沢幅一
楽しい夕（ゆうべ）にぼくの友達は
ゴキブリと一緒に昼寝をするのさ
この頃は誰も口をきいてくれないから
ぼくは寂しくて気が狂いそう
夏が終わってゴキブリが死んだら
もっといい友達に会えるかも知れない
リンコさんの詞による歌。メインヴォーカルは破廉ケンチ。
パーティーに誘われなかったか、もしくはひねくれて行かなかったのか。ちょっとした孤独を夏の風景に浮かべた歌。若い頃は孤独を感じることはよくあることだ。
タイトルをよく「楽しい夕に」と間違われる。
あの娘の悪い噂
作詞／忌野清志郎
作曲／肝沢幅一
あの娘の悪い噂聞かされる 聞きたくないのに
あの娘の悪い噂 誰が立てるのか？ 信じない
どんな噂も手遅れなのさ ぼくがあの娘を知ってしまったんだから
噂を信じるよりも あの娘にだまされたい
噂を立てる君よりも あの娘の方がきれいだから
おそらくは以前つきあっていた不良娘との事を歌ったと思われる、ノリのいいナンバー。
「ぼくとあの娘」も同じ彼女との歌。
まわりがどんなに言おうとも、おかまいなく自分の信じたとおりに生きる姿勢が見られる。
「噂を立てる君よりもあの娘の方がきれいだから噂なんか信じない」というのもさすがの言い回し。
九月になったのに
作詞／忌野清志郎
作曲／肝沢幅一
九月になったのに いい事なんかありゃしない
九月になったのに 何にも変わりゃしないのさ
相変わらず蒸し暑いし 相変わらず夜は眠れない
相変わらずだよ
そちらはどうですか？ 君はどうですか？
そちらも九月になりましたか？ 九月はまだですか？
夏なんか蒸し暑いし、ゴキブリは出るし、独り者には女の薄着がうらめしいのだ。
夏の恋ははかないもの。月が変わればなんかいいことあるかも知れないと思いたい。
ねむい
作詞／忌野清志郎
作曲／肝沢幅一
ぼくのために 電話は鳴らないでおくれ
ぼくのために 朝は来ないでおくれ
ぼくは疲れてるのさ
君がぼくをどんなに愛していたって
ぼくのあくびを止めることはできないさ
そのまんま眠いのである。
Ｂ面
もっと落ち着いて
作詞／忌野清志郎
作曲／林小和生・肝沢幅一
出かける途中のバスの中で あの娘は手紙を書いている
バスを降りて近くのポストに あの娘は手紙を放り込むのさ
ボーイフレンドのバイクに乗って あの娘は手紙を出しにいく
そんな手紙がいつも来る
もっと落ち着いてぼくを愛して
好きな娘から何通もの手紙が送られる。あげく、家出をして泣きながらの電話。
恋をあせっているんだろうか。もっと落ち着いて。
君もおいで
作詞／忌野清志郎
作曲／肝沢幅一
ぼくのまわりにかわいそうな人がおおぜい集まった
君もおいで 君だけじゃないんだよ
救世主の気分だろうか。いや、自分達もかわいそうなのだ。同じ穴のムジナである。
去年の今頃
作詞／忌野清志郎
作曲／肝沢幅一
ぼくのうちにおいでよ ぼくが自転車で駅まで迎えに行くよ
二人でこたつで紅茶を飲もう オーティスのレコード聞きながら
去年の今頃のようにだよ
かけるレコードがフォークじゃなくてオーティス・レディングというところが非常に渋い。R&B at コタツ。こういうのの良さがわかる娘は今の世にいないだろーねー。
日隅くんの自転車の後ろに乗りなよ
作詞／忌野清志郎
作曲／林小和生・破廉ケンチ
日隈くんは今日から一人で自転車に乗るのさ
いつもはぼくが後ろに乗っていたのに
今日からはぼくはあの娘の後ろに乗るのさ
あの娘は女のクセに自転車こぐのが上手
日隈よりあの娘の方がぼく乗ってて楽しいよ
今日からはぼくはあの娘といつも一緒だよ
準メンバーだった友人・日隅権座をおちょくった歌。
日隅くんの後ろより、あの娘の後ろの方が乗ってて楽しいとは笑える。
日隈くんって、いじられキャラだったんだろうね。
日隈くんは後年自殺してしまった。
ぼくの自転車の後ろに乗りなよ
作詞・作曲／忌野清志郎
ぼくの自転車の後ろに乗りなよ
二人乗りで遊びに行こうよ
君はいつもぼくを愛してる
君だけがぼくの味方だった時もあった
君だけさ 忘れない
たった一人でも理解者がいると、この世は楽しくなるだろう。
口笛の部分はオーティス・レディングの「ドック・オブ・ザ・ベイ」がモチーフだろう。
