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PLEASE
1980年12月5日/LP/キティレコード
メンバーいわく「音が軽くてサイテー」らしい。まあたしかにギターとかあんまり聞こえないね。そんなわけで「どうかでかい音で聞いてくれ(Please play it loud.)」の意味のPLEASE。
全体的には非常にポップなアルバムに仕上がっていて、RCを初めて聞くような人にも聞きやすいと思う。
歌詞カードには英訳も付いている。
A面
ダーリンミシン
作詞・作曲/忌野清志郎
編曲/RCサクセション
別れたりはしない 嘘をついたりしない
上等の果実酒 暖かいストーブ この部屋の中
ダーリン、ミシンを踏んでいる
今夜は徹夜で部屋中がゆれている
ぼくのお正月の赤いコールテンのズボンができ上がる
彼女がコールテンのズボンをミシンで縫ってくれている。ミシンのチャカチャカいう音がごきげんなリズムに聞こえる。イントロも印象的。
もともとはシングル・マン以前に作られたナンバー。
トランジスタ・ラジオ
作詞・作曲/忌野清志郎、G.1,238,471
編曲/RCサクセション
Woo 授業をサボって Yeah 日の当たる場所にいたんだよ
寝ころんでたのさ屋上で たばこの煙とても青くて
内ポケットにいつもトランジスタラジオ
彼女教科書広げてるとき ホットなナンバー空にとけてった
Ah こんな気持ち うまくいえたことがない ない
東京ローカルの高校ののどかな雰囲気が感じられる、本当のポップス。キャッチーなギターのイントロがすごくいい。
G.1,238,471というのはG2の変名。なんでそんなのにしたのかはわからないけど、「人に見えやしない」とかなんとか語呂合わせしてるのをネットで見たような気がする。
モーニングコールをよろしく
作詞・作曲/忌野清志郎
編曲/RCサクセション
モーニングコールをよろしく
たのむよ明日の朝 モーニングコールをよろしく
本物の君のキスで 目を覚ませる朝が来るまで
電話で我慢するさ
僕を信じておくれ
へたに一緒に住んでるよりも、こういうことするのがかえって楽しかったりするよね。うらやましいなー。
たとえばこんなラヴ・ソング
作詞・作曲/忌野清志郎・小林和生
編曲/RCサクセション
歌うのはいつもつまらないラヴソング
おいらが歌うのは安っぽいラヴソング そうさおまえが好きさ
お前が好きさ おいらそれしか言えない 他の言葉知らない
だけど言葉で何が言える
誰かさんのようにいい歌は知らない
気持ちがブルーなとき おまえの名をつぶやく程度さ
それでどうなるわけでもない
つまらないラヴ・ソングを自覚している歌ほどいい歌であることの証明。
DDはCCライダー
作詞・作曲/G忌麗
編曲/RCサクセション
DD ガレージの中で待ってるぜ
DD スカしたぼくのBabyイキがった
CCライダー また乗っかってくれよ
ノリのいいナンバー。
たしかRay Charlesに「CC Rider」って曲があったっけな。あんまりベストアルバムにも入ってないみたいなんだけど、オリジナルはまた別の人だったりするのかしら?
作詞・作曲のG忌麗(じーきれい)とはもちろんG2、忌野清志郎、仲井戸麗市のこと。
Sweet Soul Music
作詞・作曲/忌野清志郎
編曲/RCサクセション
Ah あの夜初めて聞いたおまえのナンバー
唇にくっついたままそのまま
Sweet Soul music あのいかれたナンバー
Sweet Soul music シートにしみ込んでるおまえの匂い
他の女とは区別がつくさ
元々上田正樹に書いた曲だが、歌い方が気に入らず自分で歌うことに。
学校をさぼって初めて見に行ったサム&デイブの歌が唇にくっついたまま離れない。後半にオーティスのDOC OF THE BAYをつなげている。
バックコーラスに金子マリが参加。
B面
ぼくはタオル
作詞・作曲/忌野清志郎
編曲/RCサクセション
ぼくはタオル 汗をふかれる 冷や汗あぶら汗どろどろの
ぼくはタイル 便所のスリッパと なかよしこよしのお友達
ぼくはスルメ 浜に吊るされて
カラカラに干されて あきらめても干されて でもまだ干されてる
ホリプロから仕事を干されていた時の恨み節。
ミスター・TVプロデューサー
作詞・作曲/忌野清志郎・仲井戸麗市
編曲/RCサクセション
オンエアーしてください 見たいのはロックショー
Yeah ミスター・テレビ局のプロデューサー
ぼくの毎日ほんとに孤独なんだ 友達はテレビだけ
8時台ゴールデンタイム チャンネル合わせて
夢のロックンロールテレビショー
大橋巨泉司会の音楽番組「ビート・ポップス」でも見て書いたのかな?
今の時代でも通用するね。お願いだからくだらないタレント歌手なんか出さないで、もっと素敵な音楽番組を作っておくれ。
いい事ばかりはありゃしない
作詞・作曲/忌野清志郎
編曲/RCサクセション
いい事ばかりはありゃしない 昨日は白バイにつかまった
月光仮面が来ないのと あの娘が電話かけてきた
金が欲しくて働いて眠るだけ
最終電車でこの街に着いた 背中丸めて帰り道
何も変わっちゃいないことに気がついて 坂の途中で立ち止まる
金が欲しくて働いて眠るだけ
暗黒時代のナンバー。
売れない。金ない。おまけに女が「月のものがない」なんて言ってきたりして。実際にそう言われたのは「ヒッピーに捧ぐ」のヒッピー氏(当時のスタッフ)だったらしいが。
清志郎は金が欲しくても働かずに寝てるか歌作ってる人だけどね(苦笑)
あきれて物も言えない
作詞・作曲/忌野清志郎
編曲/RCサクセション
どっかの山師が俺が死んでるって言ったってさ
よく言うぜあの野郎 よく言うぜ
あきれて物も言えない
ところがお偉方それで血迷ったか 次の週には香典が届いた
前の土曜日にガンバローって乾杯したばかりなのに
低能な山師と信念を金で売っちまうお偉方が動かしてる世の中さ
良くなるわけがない
あきれて物も言えない
暗黒時代、泉谷しげるがRCを逆説的に励まそうと「清志郎はもう終わりだ」って言ったのを真に受けて出来た曲。
元々の歌詞では足の悪い泉谷に対して「びっこの山師が〜」となっていた。
体操しようよ
作詞・作曲/忌野清志郎
編曲/RCサクセション
君が一番素敵だった
体操をする君を みんなが1、2、3、4、見ていた
さようならまた明日 バイバイまたね
また明日一緒に
体育館の中より南国の雰囲気があるな。木に登っていく…ってあるし。
リスの視点で見た歌というのをネットで聞いたことある。自分はサルの視点だと思ってたんだけどさ。
なんともほのぼのしたナンバー。「よごれた顔でこんにちは」と同系統の歌だね。