ONE NITE B...
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ＲＣサクセションの作品HEART ACE（ハートのエース）
１９８５年１１月２１日／ＬＰ／東芝ＥＭＩ EASTWORLDレーベル
事務所からの独立問題が一段落し、ほっと一安心の作。
しかしそれまでの反動か、清志郎は「歌いたいことがなくなってしまった」のだという。
落日のRCが感じられ始めたアルバム。
Ａ面
SKY PILOT スカイ・パイロット
作詞・作曲／忌野清志郎、小林和生
編曲／RCサクセション
お前のエアポートに着陸したい ほらもう滑走路はこんなに濡れて
だっておいらスカイ・パイロット 遠い旅をぶっ飛ばしてきたのさ
スカイ・パイロット
Hey この世界に愛を愛にチャンスを！
飛んでいくのさ 君と行くのさ
いついつまでもBaby 忘れはしないさ Baby
ギターのイントロが気持ちいい。得意のダブル・ミーニングでセックスを露骨に歌っている。
もともと中森明菜に提供した「スター・パイロット」という歌が先にある。こちらの歌詞は別の作詞家によって若干変えられている。
ぼくとあの娘
作詞・作曲／忌野清志郎
編曲／RCサクセション
あの娘はズベ公で ぼくはみなしごさ
とっても似合いの二人じゃないか
白い目で見られるのなんか もう慣れちまったよ
だから本気で温めあっているんだぜ
汚れた心しかあげられないと あの娘は泣いていた
きれいじゃないか
「あの娘の悪い噂」に続く内容と思われる古い曲。当時つきあっていた不良娘との間のこと。
「汚れた心しかあげられない、とあの娘は泣いていた。きれいじゃないか」……美しい。
DRIVE
作詞・作曲／忌野清志郎、春日博文
編曲／RCサクセション
荒れた道路をころがしてきた おかげでおいらの腰はがたがた
峠で何度も悲鳴を上げて おいらの背中は傷だらけ
夜通し飛ばしてここまで たどりつくのはまだまだまだまだ
いきたい いきたい もうたどりつきたい
いきそう いきそう 誰もがそう思うだけなのかも？
これもドライブに例えているがセックスを露骨に歌っている。RCのＨソングの中では一番露骨なんじゃないかな。
途中のサンバ・ホイッスルがアクセント。
GONE GONE
作詞・作曲／忌野清志郎、小林和生
編曲／RCサクセション
GONE GONE GONE 鐘が鳴る GONE GONE
だからBaby心配はいらない 早く帰っておいで
どこもかしこも まっ暗な闇の中さ
歌うことがなくなった感じが如実に表れている。
横浜ベイ
作詞・作曲／忌野清志郎・小林和生
編曲／RCサクセション
風の中で空はBLUE 行かないでBaby 考え直してNoNoNo
霧にかすんだ 横浜ベイ
CRY CRY 真夜中のHOTEL
CRY CRY そのDOORを開けて招き入れて
お前のソファーで抱いて
バックのKey.が印象的なスロー。
エンディングの口笛のフレーズは「僕の自転車の後ろに乗りなよ」（もしくはオーティスの「DOCK OF THE BAY」）から持ってきたんだね。
ちょっと洒落た詞なんだけど、内容的には今一つピンと来ない。
Ｂ面
海辺のワインディングロード
作詞・作曲／忌野清志郎
編曲／RCサクセション
海辺のワインディング・ロードとばした夏は
誰もいない浜辺見つけてふたり
二度と二度と離れたくない
Baby もう君の目を 今までのようには見れない
美しいスローナンバー。G2のキーボードとギターのチョッパーがきれい。
君の目をいままでのような気持ちでは見れない。きれいに別れることはむずかしい。
こんな悲し気な歌を一見明るい曲に乗せて歌い上げて、それでいてやっぱり哀愁を漂わせてる曲作りって「うまいなー」と思う。
GLORY DAY
作詞・作曲：仲井戸麗市
編曲／RCサクセション
心にもないこと言い合って 引き止めあおうとしたんだな
Oh Yeah あたりさわりのない夜だな
俺が大事だっていってくれたけど 違うな自分が大事なんだな
俺も同じだから あたりさわりのない夜だな
それでもあの日もう一度君とやり直してみたくて
夜中に君を訪ねたんだ 君を起こしたくて
車を飛ばしたんだ かがやいてたあの頃へ車を飛ばしたんだ
チャボの歌。
うまくいっていた過去の日々に戻りたくなる夜がある。もう一度輝けダイヤモンド！
時期的に、「スペードのエース」やパルコのCM撮影などで清志郎とギクシャクしてしまったことを歌っているという説もある。前の事務所の仲間に対して向けた歌とも取れなくもないが、どうだろうか。
プン・プン・プン（オコリンボリンボ）
作詞・作曲／Ｇ忌麗
編曲／RCサクセション
プン・プン・プン
ソッポむいてフクレッツラ 口もきいてくれないププンプン
オコリンボ リンボ オコリンボ あんまり君には会いたくないな
ヤーイ ヤーイ ヤーイ オコリンボ
いつかきっと晴れた日に 子供みたいな声で
君が笑うときが来るさ だからその日まで
プン・プン・プン さあ、怒ってろよ
オコリンボ リンボ
おこりんぼの彼女をからかって一曲。
これまた前の事務所に向けた歌とも取れてしまう。ギクシャクしてしまったチャボへ向けた歌という解釈もできるけど、チャボも一緒に作っている歌だからこれは違うかな。
山のふもとで犬と暮らしている
作詞・作曲／忌野清志郎
編曲／RCサクセション
今日は一日本を読んで暮した とても冷える日だった
朝からドアを閉めたままのあたたかい部屋の中
おまえはストーブの前にのびていた アクビしかしなかった
ひとりぼっち ひとりぼっち 雑種の
ひとりぼっち
心配事は何もない おまえにだけは
都会の喧騒を離れて一人静かに暮らしたい思いをそのまま歌にした。
渋谷陽一「あなた農作業なんかに従事したことありますか？」
忌 野「いや～なんか大変そうですね」
冒頭の歌詞は古いものらしく「十年ゴム消し」にも収録されている。
LONELY NIGHT（NEVER NEVER）
作詞・作曲／忌野清志郎
編曲／RCサクセション
結論はLONELY NIGHT あの娘さよならGOOD NIGHT
NEVER NEVERしたくない 君以外の女と 君以外と
君以外の女となんかネバネバやりたくねーぜ。ハープの音が気持ちいいね。
すべてはALRIGHT（YA BABY）
作詞・作曲／忌野清志郎、春日博文
編曲／RCサクセション
すべてはALRIGHT YA BABY
夢を見るのは悪いことじゃない 事をあせり過ぎちゃだめさ
ちょっとだけ時の流れが君をじらしてるだけさ
なぜ？ 母のない子のような
なぜ？こんな胸騒ぎ
叫んでも とじこもっても Oh,涙をふいてBaby
もっと強く抱いて
CDのみのボーナストラック。
事務所からの独立問題が片付き、晴れてすべてはALRIGHT！
メンバーがミイラのかっこうで出演するパルコのCFで使われた。
「なぜ母のない子のような～」の一節は、親戚の養子である清志郎の境遇と、共作者の春日博文の所属していたカルメン・マキ＆OZのカルメン・マキの「時には母のない子のように」を意識したものと思われる。もちろん事務所から独立する不安の意味もあるだろう。
