BABY A GOGO／THE KING of LIVE RC SUCCESSION

１９９０年９月２７日／ＣＤ／東芝ＥＭＩ EASTWORLDレーベル

RCサクセションのラストアルバム。レニー・クラビッツのエンジニアを使って作られたアコースティック色の強いアルバム。しかしかえってバンド内の不仲な状態を反映したかのような暗い作りになってしまって、個人的には聞くのがつらいアルバム。
G2も脱退した後だし、コーちゃんも３曲しかドラムを叩いていない（他のドラムは春日ハチ）。
初回分には歌詞カードとは別にミニ写真集が付いてきた。ジャケットの上の旗みたいなマークは、一個一個がアルファベットに対応していて、RC SUCCESSIONと書いてあるようだ。船舶用の旗の信号か何かがモデルになってるのかな？

I LIKE YOU

作詞・作曲／忌野清志郎

I love youだと使い古されてるし直接的なので、I like youにしたそうだ。「（心を込めて）愛してる」っていうより「（肩の力を抜いて）気に入ってる」って感じかな。

ヒロイン

作詞・作曲／忌野清志郎

これも石井さんのことなのかな？　この頃は結婚したてなので、ついそればかり連想してしまう。それ以外はなんのことはない、ソフトなラブソング。

あふれる熱い涙

作詞・作曲／忌野清志郎

RC20周年キャンペーンソングとして作られた。当初レコード化はないとされていたがしっかり入った。生まれたばかりの息子・タッペイ君のことを歌っている。

June Bride

作詞・作曲／忌野清志郎

石井さんと結婚したことをモチーフにしているのかと思ったが、三宅伸治が６月に式を挙げたことを歌ったのだという。

うぐいす

作詞・作曲／仲井戸麗市

チャボの曲。ソロアルバム「絵」の傾向と言うか、ちょっと詩的な感じ。詞の解釈は難しいが、あまりいい雰囲気でない気分の中「これからなんかいいことあるかな？」って言ってるような気がする。
レコーディング時の雰囲気が悪かったために、チャボはソロのライブでもほとんどやらないらしい。
SIDE B

Rock'n Roll Showはもう終わりだ

作詞・作曲／忌野清志郎

前年の大晦日の年越しイベント「ロックンロール・バンド・スタンド」用に書かれた「NO NO NO」を、タイトルを替えて収録。この曲をプッシュしたのはリンコさん。
当時のくだらないバンドブームに対するストレートな怒り。バンドスタンド当日はもっと激しく毒づいていたが、レコードではすごいソフトに歌っているので、ちょっと残念。
清志郎はバンドブームに対しては、もう怒りを通り越してあきれるところまで行っていたのだろう。

冬の寒い夜

作詞・作曲／忌野清志郎

そうとう古い曲。おそらくは当時飼っていた猫のぶっちゃんをモチーフにしている。ほんと猫ってあったかい。

空がまた暗くなる

作詞・作曲／忌野清志郎

替え歌のアルバムさえリリースできなかった東芝などに向けて歌われているようだ。 本人は否定するかも知れないけど、自分自身や他のメンバーにも向けられているような気もする。
永遠の少年・忌野清志郎もいつの間にかに、良くも悪くも大人になっていたんだ。
後にパンクアレンジの「君が代」を含むアルバム「冬の十字架」がポリドールから発売中止になった際、ポリドールに向けてライブなどでよく歌われた。
大人になるって、ほんとは大変なんだ。守らなきゃいけない物がたくさん出てくるから、子供の頃みたいに無責任になるわけにもいけない。でも、それを承知の上で勇気ある行動を取れることが、本当の大人なのかもね。ぼくらも早く大人になりたいね。

Hungry

作詞・作曲／忌野清志郎

よっぽど当時の状況にうんざりしていたんであろう。
こういうリズムがボ・ディドリーのジャングルビートというらしい。

忠実な犬（Doggy）

作詞／忌野清志郎
作曲／忌野清志郎、春日博文

めんどくさい人間関係より、犬と一緒の方が楽しいもんな。ハチ公の前で一人でゲリラライブをしたのは清志郎自身。

楽（LARK）

作詞・作曲／忌野清志郎

RCは本当にもう終っちゃうんだな。清志郎の疲れが感じられる。